日本トルコ文化交流会 TURKEY JAPAN CULTURAL DIALOG SOCIETY

Dec12

2014年11月に、イスタンブールで開催された国際会議Family Conference III: International Family Policiesに日本から2名の教授が参加され、nittoKAIはアレンジとアテンドを行いました。
ご参加された平尾先生の感想文を掲載いたします。

「トルコ再訪記
第三回国際家族政策会議に参加して」

平尾桂子
(上智大学)


国連が定めた1994年の「国際家族年」から20年。これを記念し、国際家族政策をテーマにした会議、Family Conference III: International Family Policiesが、11月29日から二日間トルコのイスタンブールで開かれた。主催者はジャーナリスト・作家財団の女性プラットフォームで、2010年より2年に一度家族に関わる国際会議を開催してきた。今回の会議に日本大学の小笠原祐子教授と一緒に参加する機会をいただいた。
会議の一日目は、法律、労働、貧困の三つのテーマセッションで、それぞれの分野からアプローチした家族政策について報告があり、二日目は国・地域別の家族政策についての報告が行われ、スエーデン、ドイツ、オーストラリア、ナイジェリア、インド、ルーマニアなど14カ国から16人の研究者が発表し、活発な意見交換が行われた。
スエーデン、ドイツ、オーストラリアなどの家族政策については日本でもその一端を知る機会は多いが、ポーランド、アルバニア、ルーマニア、ナイジェリアやタイなどの家族政策や女性の地位についてはそれほど知られておらず、私自身学ぶところが非常に多かった。少子化が問題になる日本や韓国と、女性の人権や教育の機会が問題になるナイジェリアやインドでは、家族政策といっても同じ平面で議論することは難しい場面もあったが、そのことも含めて、多くの刺激を受けた二日間であった。
この会議とは別に、CABADERという働く女性の会を訪問する機会を得た。イスタンブールで勤務する専門職の女性たちがゆるやかなネットワークを形成し、その中でお互いに学び支援しあう活動をしているという。ちょうどお昼時だったこともあり、すでに用意されていたごちそうをいただいた。会議中もトルコの家庭を訪問する機会が設けられていて、十数人で押しかけたにもかかわらず、テーブル一杯に並べられたごちそうをいただき、心のこもったおもてなしをいただいた。家族や友人知人と食を共にすることを、トルコの人々はとても大切にしていることを改めて感じさせられる。
この会議の発表論文が公募されていることは日本トルコ文化交流会から伺った。2012年3月に、同じく日本トルコ文化交流会とPASIADの後援によりトルコで講演して以来、私はトルコという国の文化や歴史の豊かさと奥深さに魅せられてしまった。今回のトルコ再訪についても、トルコに行きたいから論文を応募したといっても過言ではない。論文が採択されて本当に嬉しい。
今回のトルコ再訪については、スケジュールや宿泊、現地の移動手段の手配について日本トルコ文化交流会のサポートをいただいた。また丸二日間の会議にはnittoKAIのスタッフが同行してくださり、ジャーナリスト・作家財団の女性プラットフォームのスタッフとのやりとりや紹介など、様々な配慮をいただいた。記して感謝したい。



「トルコで国際会議に出席して」
小笠原祐子
日本大学経済学部

 昨年11月29日と30日の両日、トルコのジャーナリスト作家財団主催の国際家族会議に出席してきました。同財団主催の国際家族会議は3回目を数えますが、今回は国連によって1994年に制定された国際家族年の20周年を記念して国際家族政策をテーマに開催されました。議題は、家族と法、家族と仕事、家族と貧困など多岐にわたり、充実した2日間でした。
「国際会議」と称する会議でも多くの場合、実際には、アジアと欧米の研究者が参加するにとどまることが多いのですが、今回は、トルコは無論のこと、アルバニア、ルーマニア、ポーランドなど東欧諸国から、そしてナイジェリアなどアフリカからも大勢の参加者がおり、文字通り世界各地から家族政策に関する専門家が一堂に会した国際会議の名にふさわしい内容でした。特に印象的だったのがアフリカからの参加者です。それぞれに赤、緑、黄色など色鮮やかなドレスに身を包み、エネルギッシュに発言する女性たち。アフリカの女性が置かれている苦境を訴える彼女たちのパワーに圧倒され、また同時に、会議の前後の食事の時間に国で帰りを待つ子どもの話をするときの、やさしい母親の顔に魅了されました。
 また今回は、会議に出席するだけではなく、日本トルコ文化交流協会のご尽力で、トルコの働く母親を支援する女性協会訪問の機会を得たことも忘れられない体験となりました。日本では、働く母親の立場もさまざまであり、利害がなかなか一致せず一枚岩となりにくい現状がありますが、トルコの女性協会で感じたのは、個々の相違を大きく包み込む温かな空気でした。


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