Jul10
「イスラムを食から見る―人間と食についての再考」
第48回セミナーは、八木久美子氏(東京外国語大学大学院・総合国際学研究院教授)をお招きし、食を通してイスラムを見ながら、人間にとって食とはいかなるものなのかについてお話いただきました。
講演概要:
イスラム教徒の食については、豚肉や酒類を忌避することとともにイスラム暦のラマダーン月の日中に食を絶つことがよく知られている。そのように食に規制をかけることにはいったいどのような意味があるのか。イスラムの論理に従うと、これらの実践がどのように見えてくるのか。さらには、このように食に規制をかけることが人間一般にとってどのような意味があるのだろうか。
食を通してイスラムを見ながら、人間にとって食とはいかなるものなのかについて考えました。
講演者プロフィール:
東京外国語大学外国語学部アラビア語学科卒業。在学中にチュニジア、エジプトにそれぞれ一年間留学。東京大学大学院(宗教学・宗教史学)より修士号取得。ハーバード大学大学院(宗教学)より博士号(PhD)取得。専門は宗教学で、エジプトなどアラブ世界を中心として調査を行い、近現代のイスラムを研究している。
おもな著書は、『慈悲深き神の食卓―イスラムを食から見る』(東京外国語大学出版会、2015年)、『グローバル化とイスラム―エジプトの「俗人」説教師たち』(世界思想社、2011年)、『アラブ・イスラム世界における他者像の変遷』(現代図書、2007年)、『マフフーズ・文学・イスラム―エジプト知性の閃き』(第三書館、2006年)など。