日本トルコ文化交流会 TURKEY JAPAN CULTURAL DIALOG SOCIETY

Mar29

今回は、中東史にお詳しい塩尻和子先生に、チュニジア・エジプトなど北アフリカの国々から始まった民衆蜂起について、講演を行っていただきました。

中東に関心のある学生さんから、研究者の方まで、幅広い方々にご来場いただきました。


先生はまず、今回の運動の本質を、オスマン帝国滅亡から国民国家成立までの中東諸国の歴史をふりかえるところから解説されました。
今回の運動は、民主主義を標榜する大国の世界戦略上の作戦によって、長期間たって民主的ではない強権政府を押し付けられてきた人々の不満が爆発したのです。独裁者を欧米諸国が様々な面で裏で支援していたのは、いまでは周知の事実です。

その上で、「中東の春」や「アラブ革命に神は関係ない」と形容されることへ、疑問を呈されました。
脱宗教化ではないとし、すべての中東世界での運動の根底には穏健派から懐古主義派、強硬派まで、さまざまな形で「神は関わっている」と強調されました。
そして、この民主化運動が向かう先も、脱宗教でもなく、自由と人権がまもられる市民社会の実現・日常的な宗教生活の安定であろうと述べられました。
民主主義の形はそれぞれの国や地域にふさわしい形があるべきで、アメリカ型のの民主主義が施行されないからといって、イスラーム世界には民主主義は定着しないと決めつけることはできません。そのことを、イスラームが始まった時から持つ民主的な性質のご説明や、民主的(=宗教分離)であると思われている欧米諸国こそが非常に宗教的な性質を持っている例も挙げながらご説明頂きました。

以上のような点から、現代的で民主的な国家体制を持ちながら国民の9割はムスリムとして日常生活を送る、トルコはこれら中東諸国の将来の国家モデルになりえるかもしれません。

懇親会ではいつものように美味しいトルコ料理を味わって頂き、皆様でご歓談いただきました。

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