日本トルコ文化交流会 TURKEY JAPAN CULTURAL DIALOG SOCIETY

Sep22

nittoKAIでは、トルコで8月に行われた「日本とトルコのDV防止法:現実と問題」へ、日本からのご参加者の皆様のサポートとアテンドを行いました。

日本サイドからご参加された方々は以下です:

1. 井上匡子・神奈川大学法学部教授(法哲学専攻)
2. 上北正人・神奈川大学法学部准教授(民法専攻)
3. 片桐有喜・小樽商科大学商学部教授(社会保障法専攻)
4. 嘉藤亮・神奈川大学法学部准教授(行政法専攻)
5. 島岡まな・大阪大学大学院法学研究科教授(刑法専攻)
6. 立石直子・岐阜大学地域科学部准教授(家族法専攻)
7. 町村泰貴・北海道大学大学院法学研究科教授(民事訴訟法専攻)
8. 飯田学史弁護士(横浜弁護士会)



参加者のご感想:

「日本とトルコのDV防止法:現実と問題」参加報告
北海道大学大学院法学研究科教授 町村泰貴

 日本トルコ文化交流会nittoKAIのご尽力により、神奈川大学を中心とする日本の研究チームが、2014年8月25日と26日、トルコで「日本とトルコのDV防止法:現実と問題」と題する研究交流を行いました。
 この研究チームは、神奈川大学の共同研究奨励助成金を受けて、同大学の井上匡子教授、上北正人准教授、嘉藤亮准教授、公文孝佳准教授、大阪大学の島岡まな教授、小樽商科大学の片桐由喜教授、岐阜大学の立石直子准教授、そして筆者が参加し、主に日本のドメスティック・バイオレンス対策を様々な法領域から研究しています。トルコには、このメンバーのほか、横浜弁護士会の飯田学史弁護士もご家族とともに参加しました。
 ドメスティック・バイオレンスは日本だけの現象ではなく、女性の地位が高いと考えられていた欧米社会でも深刻な問題となっています。トルコにおいてもドメスティック・バイオレンス問題が重大視されていることは、2012年11月に井上匡子教授と筆者が参加したイスタンブールのジャーナリスト・作家財団主催の国際ワークショップでも報告されていました。
 今回の研究交流では、イスタンブールの法律家協会(Adalet ve Hukuk Dernegi = Justice and Law Association)のメンバーを中心とするトルコの法学者、弁護士と、ドメスティック・バイオレンス問題についてお互いの国の法制度や実態について報告を行い、意見交換を行いました。日本側からは、民事裁判法、渉外法務、刑事法、家族法、行政法、社会保障法の各分野からそれぞれの報告を行うとともに、トルコ側からも最近のドメスティック・バイオレンス対策立法の紹介と、女性法学の視点からの問題提起や民事法・家族法からの問題提起、そして弁護士実務やNPOの活動などについても具体的な報告がされました。
 ある国の法制度は、その国の歴史と文化、国民の行動様式などの背景を形成されるものですし、個別の問題に直接関わる部分をきちんと理解するには、法体系の全体を理解することが必要となります。その意味で、今年の幅広い分野からの研究交流は重要なステップだったと評価できますが、これで十分とは到底言えません。相互理解には息の長い、そして幅広い研究交流が必要であり、今回の研究交流は第一歩を踏み出したにすぎないというべきでしょう。
 なお、イスタンブールの前にはイズミルを訪問し、パムッカレの世界遺産を見学した後、デニズリのアラーアッディン(Alaaddin)さんを中心とするいくつかのご家族の集まりにご招待を受け、昼食をご馳走になりました。十数人のトルコの老若男女と直接、もちろんnittoKAIスタッフの卓越した通訳を介してですが、話をすることができ、同じ人間同士と分かり合うことができ、とても幸せな時を過ごすことができました。
 トルコの人々の生活様式や考え方の一端を知ることができて、研究面での相互理解にもつながる貴重な機会となりました。こうした機会を与えてくれた日本トルコ文化交流会に改めて感謝いたします。
2014年10月15日記す


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